ゴールデンな売り場の改造
少しずつコツコツと進めている。
うちのゴールデンな売り場には、2000円を超えるマスカラやら2000円弱の商品やら、まぁ基本1500円商品が並んでいる。
油田売り場もそうだったのだが、オイラ的には別に油田商品が売れなくても良くて、最終的にお客さんがその売り場からいくら買うか?ってのに注力している。なもんで、脇役商品でも一向に構わないのだ。
それを今度はゴールデンな売り場でやってやろう、という試みである。
マスカラやらパウダーやらが、ズラッと並ぶ売り場に、加えて何があったらこの売り場における客単価を上げることが出来るか?である。
なもんで、売り場の無いところに売り場を作り、商材を一つずつ増やしていっている。もちろん、マスカラを2本3本買うヒトは極めて少ないので、併せて買うとしたら何か?ってのが問題である。
そんな売り場に、置き場所がなくて仕方なく置いてしまったとあるブランドの商品がある。
が、このブランド、毎度お馴染みの”知ってるヒトは知っている”商品だったようで、ピンポイントでお客さんの財布を抉じ開けるようである。近々このブランドのラインナップが増えるので、ちょうど良いタイミングだと思って導入したのだが、これはこれで正解だったかもしれない。
なんせ・・・
よそで置いてない
からな(笑)。別にクローズアップするでもなく、片隅にチョロとぶら下げただけで、お客さんを釘付けにする商品。ありがたや。こういう商品の特徴は・・・
テスター無しでも売れる
ところである。
オイラは、テスターが商品よりも大事、なんて言い方をする。
新製品が出た場合、まずテスターがなければ、ただの得たいの知れない商品でしかない。
まずは、試してもらって、納得してもらって購入に至って貰う・・・。
と、オイラは考えていたのだが、最近、そうだろうか?と思うこともある。
テスターを使ってみて、購入に至ったお客さんが、
「おっ、これ良いねぇ。」
と思って買っているのだろうか?と。
なかには、
「今使ってるのと同じくらいか・・・新しい方が良いかな。」
止まりのヒトも結構いるのではなかろうか?
つまり、全員が全員、この商品の性能に納得しているというより、
まぁ及第点
くらいで購入に至っているケースもあるのではなかろうか?と。
オイラは、お客さんが商品を購入して貰うには、商品に絶対的な性能が伴ってないと駄目・・・と思っていたのだが、意外とそうでもないのではなかろうか?と思ったりした次第である。
ちょっとテスターに関する考え方が広くなった。
テスターと言えば、今回の徹夜、そして翌日作業となった一大イベント。
4980円商品。
バラエティ系のショップでは、今、比較的クローズアップされて販売されている。
今は、モデルタイアップ系が旬なので、ナンバーワンの売り場とはいかないが、まぁ、クローズアップはされている。売れてもいるようである。
この商品、もともと限られた店にしか送られないハズだったらしいのだが、店長の話では、商品担当のヒトが気を利かせて手配してくれたのでは?ということだった。
4980円・・・高すぎるやろ(笑)。
このジャンルの商品は単価が張るのが一般的だが、美容部員さんたちの話によると、それにしても割高であるとの話であった。つまり純粋に高いのだ。
だがしかし、蓋を開けてみると、こいつもテスター無しで売れる熱い商品であった。
オイラは、テスターがあればもっと売れるはず・・・との思いを込めて、商品担当さんにメールしたのだが、テスターは来なかった・・・orz。
そのまましばらく様子を見ていたのだが、やはりテスター無しでもポツポツと売れる商品であるようだった。”やっつけたい店”とかのデータを見てみても、うちと同じくらいの売れ行き。
・・・ちょっと待て(w。
うちよりも客数も多く、売り上げ規模も大きいあの店での売れ行きと、うちの売れ行きが同じ・・・。
テスターを意地でも用意しなければならない。そして、”やっつけたい店”よりもたくさん売るのだ。何十個、何百個売れる商品ではない。だが、向こうが5個ならこっちは10個売りたい、そんな心境である。
折角、商品担当さんが回してくれた商品である。モノにしなければ・・・。
手段は選んでられない・・・自腹決定(笑)。
だが、今回は難問である。いつものマスカラなどなら、モノを紐付けて置いとけば良いのだが、今回は、
ファンデーション
である。
これは置いとくだけ・・・とはいかない。
そもそも疑問に思うのだが、商品の説明会とか、他のショップを見ると、ちゃんとテスターが設置できるような販促物になっているのだが、うちに来たのは、ただの紙のトレイだけ・・・(笑)。
ファンデーションのテスターというと、普通は、プラスチックのトレイの中に、中身が埋め込まれていて、ちょっと自作は・・・というような代物である。
オイラは、美容部員さんたちにいろいろと聞いて回る。
「結局、ファンデーションのテスターってのは、リフィルとパフを置いとけば良いってことで、それではあまりにも見栄えが・・・ってことだから、あんな感じになってるんですか?」
「そうそう。」
初の試み(まぁほとんど初なのだが)、テスター台の作製。
さて、材料は何を使うべきなのだろうか?
塩ビの板か?アクリル板か?それとも出来合いのひな壇みたいなやつを抉るか?
そもそも、リフィルだけでとりあえず成立するのであれば、そいつが埋まっていれば良いのではなかろうか?
となると、オイラがER-6nに使ったようなゴムというかスポンジみたいな素材を抉って埋め込んでも良さそうである。
・・・けど、抉るっていう加工はそんなに綺麗に仕上がるだろうか?
発泡スチロールは?
これも抉るとなるとやっかいである。
とりあえず、抉るだけ抉って、ボコボコになった分は、紙か何かで平らにして、固定は底ではなくサイドを使えば良いのではなかろうか?
いろいろ考えながら、ハ■ズを見物。めぼしを付けて、いつも販促物を買っている店に向かう。
そこで思わぬアイテムを発見した。
目の細かい発泡スチロールの板。厚みは5mmくらい。
・・・これを重ねよう(笑)
抉るなんて中途半端な加工だからやっかいなのだ。くり抜くってのは、比較的簡単だろう。素材も発泡スチロールだし。
同じ大きさの板を2枚用意しておいて、片方はリフィルの大きさの穴をくり抜いて、片方をあててやれば、最終的には、リフィルが入る穴が開いた板になる。
この板の厚みも、ちょうど必要とされる穴の深さにピッタリっぽいしな。
大筋はこれで固まったのだが・・・、厚みを正確に測定してきた訳ではない。
だが、ズレといっても1mm以上2mm以下だろう。
そう考えて、厚み調節のために、考えている色と同色の画用紙も調達。こいつで適当に調節してやれば良かろう。
くり抜くのにカッターナイフが必要だが、一応店にもあるにはあるのだが、切れ味に難がある。こんなことで、出来上がりが悪くなるのもくだらんと思い、カッターナイフを調達。
さらに、机に傷が付くのを恐れて、力を加減するのも作業の効率を悪くすると判断して、カッティングボードも調達。これで思う存分、切り刻める(笑)。
あと、カッティングボードには目盛りも付いてるので、これが意外と重宝するのだ。
店に戻り作業にかかる。
板を2枚用意して、片方に穴を開けるところまでは、すぐに終わったのだが、ここで睡魔に襲われる。
・・・このとき、とあるメーカーの営業さんが来ていたのだが、どんなやりとりもしたのか記憶にない(笑)。
カフェインのドリンクを飲んで、作業再開。実際、今も眠いので、文章がどこか飛んでしまってるかもしれない(w。
板を張り合わせて、原型は完成した。
後は、蓋になるフィルムを貼り付ければ完成である。
だが、どうしても気になる部分があった。
上から見たら・・・手作り感に溢れているもののまぁ合格、しかし側面から見たら・・・。
速攻で2枚張り合わせてますよ
ってのがバレる(w。
厚みがおよそ1cm。オイラは、フィルムでラミネートした同色の画用紙を1cm幅にカットして、側面をグルッと巻くことにした。すると、かなりそれらしく見えるようである。
途中、美容部員さんに、
「こんな感じで良いんですかねぇ?」
と、何回も確認を取り、とりあえず完成した。
「パフってのは、良いものを用意しておいた方が、商品を試したときに良い感じになるんですか?」
など、細かいところも気にしつつ、結局、使い捨てのパフを頂いて完成。
過去最高の自腹である。
だが、完成品はそれなりのものだった。
今までの装飾における工作技術の粋を集めた作品である。
自分で言うのもなんだが、やればやるほど上手くなるな。
全く同じものを作ることはないのだが、同じように切断するにしても、より美しく仕上がるようになってくるみたいである。