HMS中級コース参加   後編

しばらく、走っているとコーナーでかなり安定してきたことに
気付く。シートの細さやハンドルの軽さがかなり気にならなくなってきた。
しかし、まだ、十分遅い。
そこで、ネットで見たジムカーナ系のサイトにあった
記述を思い出した。
「アクセルはしっかり開けること」


次の周回から、アクセルをガンガン開けていった。
ぐーっとバイクは加速する。曲がらなくてはならないので、
ブレーキを速度に応じていつもより強めに掛けた。


その瞬間、バイクはぐぐぐぐぐっと小回りし始めた。
俺は、何か掴んだ気がした。
ニーグリップもでき初めてきたので、自然に体もついて来るし、
さらに、積極的に上体も使えはじめてきた。
俺は、ガンガンアクセルを開けた。
すると、いつの間にかアクセル全開モードになっていた。
はじめてだった。全開は。
峠でも、高速でもなく、俺の初全開は、ほんの10メートル弱の
直線だった。


直線部分だけでも、それが、ほんの2,3メートルほどであっても
アクセルは全開にした。大型バイクではないので、リヤタイヤが
滑ることもないと信じてひたすら開けた。
「速度が出すぎてもブレーキで止まればいいやん。」
と、心理的にもかなり余裕が出てきた。


この時点で、S字とヘアピンの部分のスピードは、
俺の前後のヒトと遜色ないレベルになったと勝手に確信している。
しかし、残りのクランク部分は走行ラインがめちゃくちゃで
遅かった。それでも、アクセルは全開である。
もう、癖になってしまった・・・。
ヘルメットの中の表情はニヤニヤしながら、全開とブレーキ
を楽しんでいた。
「おもしろいやん。スラロームって。」


当分、中級コースに行こうと思ってしまった。
しかし、予約がいっぱいだ・・・。